愛媛経済界の中心人物達が集う会に、松野町のPRに行って参りました。
何と その会場で、サイクリング・パラダイスの際に作った「シカ燻製を載せたクラッカー」を再度作るコトに!
松野町の おもてなし

会場は松山全日空ホテル! ホテルのバックヤード…楽しみ♪
ちなみに撮影は控えましたが、松山全日空ホテルのバックヤードはとてもキレイでした。 素晴らしいホテルですな、業界の方は視察に行かれた方が良いです。 オススメします。


前回の写真。 手前の「サワークリーム&鹿スライス」を作ります。
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「鰻おにぎり」と一緒に食べるので山椒をアクセントにしていたのですが、今回は「シカ燻製の味をストレートに表現したい」との意向で山椒・胡椒は使用不可。 サワークリームとスライスだけで…と決まりました。


でも前夜に準備していたら…それで良いんかい?と頭をよぎる僕の天使と悪魔。

シカ燻製の味をストレートに…
いや、サワークリームとクラッカーの味が加わってるやん?!

シカ燻製の味 ≠ シカ燻製 + サワークリーム + クラッカー
SK ≠ SK + SC + C

いわゆる足し算では絶対に成立しない数式です。 つまり引き算が必要になるわけです。
何らかの方法で
SK = SK + SC + C ‐ C(S + 1)
の「‐ C(S + 1)」に近い作用をもたらさなければなりません。

光の三原色とカラー印刷の理論(加法混色と減法混色)を展開する必要があるわけです。
すごく簡略して説明しますと、

闇(黒)に、青+緑+赤の光を加えると 白になります。 これが光の三原色。 全ての色を加えるコトで明るい色(白)を作り出す。 この3つがあれば、どんな色でも再現しちゃうぜッ♪ てコトです。  いわゆる足し算。 
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でも、白色(光の三原色では「全ての色が合わさった色」)の紙に何かしらの色を加えることで、何かしらの色を表現しなければならない印刷界においては、何かしらの色を加えるコトで暗くする = 明るい色(白)から光を抜く という技が必要になります。 足しているのにマイナス効果! それが、シアン(C)・マゼンダ(M)・イエロー(Y)です。  イメージしやすいようにイエローを例にすると、イエローを加えるというコトは、黄色の光を加えているのではなく、光の要素から黄色以外の色(青)を減らしているコトを意味します。 闇+赤い光+緑の光=黄色なので、白(=赤+緑+青)-青=イエロー というイメージ。 実際には青だけ除いても黄色にはならないのですが、あくまでイメージです。 ちなみに、CMYの3つでは完全な黒は再現できないために、プリンターにはブラックが必要で、鍵(KEY)になる色なのでブラック(K)と表記されております。 
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説明下手で申し訳ございません。 下記の解説が判りやすいと思います。
OKIデータHP

随分と脱線しましたが、前夜の私に求められたコトは、
何かを加えるコトで、C(S + 1) を抜く作用を考える! という難題です。

まぁ、完全に出来るのであれば、今頃 世界を股にかけるスーパーシェフです。

スパイスを使うと約束違反なのでハーブ。
単品では目立つのでミックス…という視点でエルブ・ド・プロバンス。 例えばディル単品で使うとディルの個性が際立ってしまうので要素を加えるコトになりますから。 ドライ・ハーブの作用で、サワークリームの軽快な爽やかさに ほんの少し貫録を加えます。 ドライを使えば フレッシュよりは燻製との同化もしやすいと思いますしね。

更に 少量のドリップと油分が燻製にはあるので、オリーブオイルを少しだけ加えて、サワークリームをまろやかに。

仕上げに クラッカーの香ばしさを和らげる為に、少量の海塩と岩塩をクリームに混ぜる。

狙いとしては、サワークリームとクラッカーの個性をボヤけさせて、シカ燻製の味と一体化を図る…ッてコトです。


でも、自信のある山椒も持って行って、現場で相談しよう…と考えて就寝。

で、いざ現場。 着席宴会。
開会時には「シカ・クラッカー」を卓上に揃えておく必要があるらしい。
一品目はレモン・シャーベット。 …完全に山椒はNGだなぁ(-_-; )

しかも開始時にテーブル設置ということは、開場、開会、挨拶、来賓紹介、乾杯の音頭…直前に配膳するとしても、盛り付け開始から食べていただくまで1時間半は必要やなぁ…クリーム塗ったら、クラッカーがベチョベチョふにゃふにゃ…最悪や(T-T)

最善を尽くすのが礼儀です。
クリームは塗らずに 分量分(極少量)を塊で乗っける!
味付けは神降臨、一発で決まりました。 シカ燻と食べると…うん、サワークリームの物足りなさ感◎狙い通りです。
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ぷぅ…何とかできました。
見た目を意識して、刺激の薄い、歯に詰まらない「緑」が必要だった…と反省しておりますが、進行を妨げず、みなさまに召し上がっていただきました。 依頼主からも労っていただけましたし。

何と シカ燻製、今後のビジネスにつながる予感…というお話も会の中であったので嬉しい限りです。 
しかし、頭が沸きました。